ウィキエンジンは、インターネット上で共同作業によって情報を収集、編集、共有するためのプラットフォームです。ウィキエンジンは、ウィキペディアをはじめとする多くのウィキサイトの基盤となっています。この記事では、現代の主要なウィキエンジンについて解説し、それぞれの特徴や利点、欠点を検討していきます。

** 現代のウィキエンジン [#af3ed357]

*** MediaWiki [#pe0d721d]
MediaWikiは、ウィキペディアを含むウィキメディアプロジェクトで使用されている最も有名なウィキエンジンです。MediaWikiは、オープンソースで無料で利用でき、高度な機能や柔軟性を備えています。

特徴
- 多言語対応
- 拡張性が高い
- 大規模なコミュニティ

利点
- 豊富な機能と拡張機能
- 活発な開発とサポート
- 信頼性と安定性が高い

欠点
- 初心者には難しいインストールと設定
- サーバーへの負荷が高いことがある

*** DokuWiki [#pe8a7660]
DokuWikiは、シンプルで使いやすいオープンソースのウィキエンジンです。データベースが不要で、ファイルベースのシステムを採用しているため、設置が容易です。

特徴
- データベース不要
- マークダウン記法に似たシンタックス
- プラグインによる拡張性

利点
- 設置が簡単
- 軽量で高速
- 多言語対応

欠点
- 大規模なウィキには向かない
- 機能がMediaWikiに比べて限定的
*** TikiWiki [#f72db7ab]
TikiWikiは、ウィキ機能に加え、グループウェアやCMS機能も備えたオールインワンのウィキエンジンです。機能が豊富で柔軟性が高いことが特徴です。

特徴
- グループウェアとCMS機能の統合
- 多数の機能とプラグイン
- 高いカスタマイズ性

利点
- 機能が豊富で拡張性が高い
- オールインワンのソリューションで効率的
- 多言語対応

欠点
- 初心者には使いづらい
- サーバー負荷が高いことがある
- インストールと設定が複雑

*** XWiki [#c94e1243]
XWikiは、企業向けのオープンソースウィキエンジンで、高い拡張性とカスタマイズ性を備えています。アプリケーション開発プラットフォームとしても機能し、組織内でのナレッジマネジメントやコラボレーションに適しています。

特徴
- Javaベース
- 高度な権限管理
- アプリケーション開発プラットフォーム

利点
- 企業向け機能が豊富
- 柔軟なカスタマイズ
- 活発な開発コミュニティ

欠点
- インストールと設定が難しい
- サーバー負荷が高いことがある
- 開発スキルが必要な場合がある

*** PmWiki [#tfee8b1d]
PmWikiは、オープンソースのウィキエンジンで、シンプルなインストールと機能が特徴です。データベースが不要で、ファイルベースのシステムを採用しています。

特徴
- データベース不要
- シンプルなインストール
- 拡張性のあるカスタマイズ

利点
- 設置が簡単
- 軽量で高速
- 柔軟なカスタマイズ

欠点
- 機能が他のウィキエンジンに比べて限定的
- 大規模なウィキには向かない
- サポートが限られることがある

*** まとめ [#f135d547]
** 現代のウィキエンジンの機能 [#e7e67cc9]
現代のウィキエンジンは、従来のウィキの基本的な機能を維持しつつ、新たな技術と機能を取り入れて進化し続けています。

*** 非同期通信とAjax [#v1326514]
近年のウィキエンジンでは、ウェブページ全体をリロードすることなくコンテンツを更新できるようになりました。これはAjax(Asynchronous JavaScript and XML)と呼ばれる技術を用いて実現されています。Ajaxを用いると、ユーザーがページを離れることなくデータをサーバーとやりとりできるため、ウィキの更新がよりスムーズになります。

*** マークダウン [#i955cd47]
多くの現代のウィキエンジンは、マークダウン記法をサポートしています。マークダウン記法は、簡潔で人間が読みやすく、さらには機械が解析しやすい記法です。これにより、HTMLを直接書くことなく、文章を編集することが可能になります。マークダウンは、見出し、リンク、画像、リストなど、最も一般的に使用されるHTMLの要素を生成するための記法を提供します。

*** バージョン管理 [#uaa310ff]
現代のウィキエンジンはバージョン管理を強化しています。これにより、以前の版へのロールバックや変更履歴の追跡が容易になります。さらに、多くのウィキエンジンは変更の通知機能を提供し、ユーザーが興味を持つ特定のページや範囲の変更を追跡できます。

*** モバイルフレンドリー [#s140e593]
ウェブトラフィックの大部分がスマートフォンやタブレットから来ている現代において、ウィキエンジンもまたモバイルフレンドリーであることが必要となりました。現代のウィキエンジンはレスポンシブデザインを採用し、ユーザーがどのデバイスを使用していてもウィキを効果的に閲覧できるようにしています。

*** ソーシャル機能 [#ab54064a]
一部のウィキエンジンでは、ソーシャルメディアのような機能が取り入れられています。コメント機能、いいねボタン、ユーザープロファイルなど、これらの機能はコミュニティ内でのコミュニケーションを促進し、ユーザーがより深く関与できるようにします。

** まとめ [#f135d547]
現代のウィキエンジンは、多様なニーズに対応できるように設計されており、それぞれ独自の特徴と利点、欠点があります。選択肢は多岐にわたり、自分の目的や要件に合ったウィキエンジンを見つけることができます。この記事で紹介したウィキエンジンは、知識共有やコラボレーションを促進するための強力なツールとして、現代のインターネット環境で重要な役割を果たしています。