ウィキエンジンを利用する場合、テキストエディタを使用してページ編集する必要があります。その際に使用されるのが、マークアップ言語と呼ばれる記法です。マークアップ言語を使用することで、テキストを装飾したり、リンクを作成したりすることができます。ここでは、代表的なマークアップ言語であるWikiCreoleMarkdownの違いについて説明します。

WikiCreoleは、複数のウィキエンジンの開発者によって作成された、共通のマークアップ言語です。そのため、多くのウィキエンジンでサポートされており、広く利用されています。WikiCreoleでは、テキストを装飾するためのシンプルな記法が用意されており、例えば「テキスト」で太字、「//テキスト//」でイタリック、テキストでコードブロックなどが簡単に記述できます。また、WikiCreoleでは、リンク作成にも特化しており、多くのウィキエンジンで使われている「[[ページ名]]」形式のリンク作成が可能です。

一方、Markdownは、John Gruber氏が開発したマークアップ言語です。Markdownも、広く利用されており、GitHubやSlackなど、多くのサービスで採用されています。Markdownでは、テキストを装飾するための記法もシンプルであり、「テキスト」で太字、「テキスト」でイタリックなどが簡単に記述できます。また、Markdownでは、シャープ「#」を使用した見出しや、ハイフン「-」を使用したリストなど、ドキュメントの構造を表現するための機能が用意されています。

WikiCreoleMarkdownの最も大きな違いは、リンク作成の方法です。WikiCreoleでは、既に説明した「[[ページ名]]」形式が利用できますが、Markdownでは、角括弧「[ 」と丸括弧「( 」を組み合わせてリンクを作成します。「リンクテキスト」という形式で、リンクテキストとURLを指定することができます。

また、WikiCreoleでは、テキストを装飾するために複数の記号を使用することができますが、Markdownでは、一種類の記号を使用することが推奨されています。これにより、テキストの意図を明確にし、可読性を高めることができます。

さらに、WikiCreoleMarkdownでは、記法によって対応するHTMLタグが異なるため、同じマークアップ言語を使っていても、表示が異なることがあります。また、ウィキエンジンによっては、WikiCreoleMarkdownの両方をサポートしているものもあります。

最近のトレンドとしては、Markdownの利用が増えているという点が挙げられます。Markdownは、簡潔な記法であり、直感的な使用感があり、広く使われているため、多くの人にとって馴染みがあるためです。また、多くのウェブサイトやサービスでも、Markdownをサポートしており、より多くの場面で利用することができるようになっています。

一方で、WikiCreoleも、多くのウィキエンジンでサポートされているため、特にウィキペディアを始めとするウィキ形式のサービスにおいては、依然として重要な役割を果たしています。

総合的に見ると、WikiCreoleMarkdownは、どちらも広く使われているマークアップ言語であり、利用する場面や好みによって使い分けることができます。ただし、どちらを選んでも、適切な文書構造を意識した記述方法を心がけることが大切です。